2019年3月25日Vol.10 南佳孝歌い出しだけで、リスナーの心を鷲づかみにする深く、美しい歌声。その圧倒的な力量から、南佳孝さんは自他共に認める歌の天才少年――ナチュラル・ボーン・シンガーだったのではないかと想像していた。しかし、歌への自意識の芽生えについて投げかけた質問に対する、ご本人の答えは「僕は子供の...
2018年11月1日Vol.9 高橋幸宏この インタヴュー・シリーズにご登場いただいた、ミュージシャンの皆さんに共通するキーワードを一つ挙げるとするなら「文化的早熟」だろうか。その中でも、小学5年生でドラムを叩き始め、高校2年生でスタジオ・ミュージシャンとしてデビューした高橋幸宏さんの早熟さは際立つ。
2018年7月1日Vol.8 大貫妙子「静謐」「繊細」「透明」といった言葉で、その音楽性を形容されることの多い大貫妙子さんは、一方でタフな行動力の持ち主でもある。これまでも自分の好きなものを追い求めて世界中に足を運び、音楽をつくり上げ、文章を記してきた。日々の暮らしの「基本」は大切にするが、新しいことと出会うた...
2018年4月1日Vol.7 松本隆中学から慶應義塾で学生時代を過ごした松本隆さんは、中学時代の終わりから同級生とバーバリアンズというバンドを組み、高校に入ってからはバーンズと改名。大学でも活動は継続され、在学中にエイプリル・フールの一員としてプロ・デビュー。こう記すと音楽一辺倒の学生時代だったように思えるが...
2018年1月1日Vol.6 鈴木慶一俳優である父、映画や音楽にも興味があった「おふくろ」「おじさん」「おばさん」が身近にいた鈴木慶一は、「大人の文化」にひと足早く触れる機会に恵まれた少年時代を過ごした。育った街は東京で最も南に位置する大田区、かつては漁業を営む家も多かった東京湾岸の羽田エリア。後にともに演奏す...
2017年10月1日Vol.5 鮎川誠1968年、後に数多くのロック・バンドを輩出することになる九州エリアの中心地・博多の街を、華がある顔立ちと人目を惹く長身の青年が足早に歩いていた。大学に通うための定期券を手に、久留米からやって来た青年の目的地は、ダンス・ホール。そこに出演していたバンド、ジ・アタックに会うた...
2017年8月1日Vol.4 鈴木茂1965年のベンチャーズ2回目の来日、66年のビートルズ来日の影響で、日本でも数々のアマチュア・バンドが生まれた。「数々の」と記したが、高価なエレキ・ギターやドラム・セットを揃えるのは高校生や大学生にとって簡単なことではなく、中学2年生でベンチャーズのコピー・バンドを結成し...
2017年4月1日Vol.3 谷村新司大阪で生まれ、京都の故・加藤和彦さんと交流を持ち、神戸のアマチュア・サークルで音楽活動を始めた谷村新司さんにとって、関西におけるフォークの創世記は、「関西フォーク」という言葉で一括りにできるものではなかった。そこには、それぞれの街の風土に根ざした独自の音楽性があった。さらに...
2017年2月1日Vol.1 小坂忠アートやファッション、演劇が交差する場所に身を置きながら、日本のロック/R&Bを生み出す試行錯誤を続けた小坂忠の1966-1976。 ザ・フローラルでのデビューからエイプリル・フールの結成、日本初のロック・ミュージカル『ヘアー』への出演、名盤『ほうろう』『モーニング』のリリ...
2017年2月1日Vol.2 小室等ポップス、そしてフォークと「アメリカ」の文化が輝いた60年代〜70年代。 日本語の「詩」と出会うことで羽ばたいた「日本のフォーク」黎明時代。 インタビューを担当した牧村憲一さんが小室等さんに初めて出会ったのは1969年。そして1970年、当時の『小室等と六文銭』中津川第2回...